2017年9月22日金曜日

マウントの鬼 高価なGoProスポーツマンマウントを徹底活用


 GoProの純正マウントは高価なことで知られていますが、その中でも高額な部類に入るマウントの一つにスポーツマンマウント(ASGUM-001)があります。Amazonでも9,000円前後で売られていて、他のマウントのように格安のコピー品も見当たりません。値段が高過ぎて人気がないのか、必要性が低いのか、ネット上にもユーザーのレポートがあまりアップされていないようです。オートバイで安定したGoPro映像を撮るために各種マウント方法をテストしているときに、値段も考えずに購入してしまいましたが、その後あまり出番がありませんでした。


スポーツマンマウントのスポーツって何?


 GoProスポーツマンマウントは強力なクランプ部と交換可能なカメラ取り付けアームから成っています。さらに、黒いプラスチックで出来た複数のハウジング裏蓋が付属してきます。

GoProスポーツマンマウント構成部品(裏蓋は他に3枚付属)

取り付けアームはGoProが一台のもの(A)と二台を前後に取り付けられるもの(B)の二つが付属していますので、シーンに合わせて交換して使用します。中央に固定部を設けたGoProハウジングの裏蓋が付いてきます。下部にしか取り付け部がなかったGoProハウジングの後部にも取り付け場所ができますので、この裏蓋は他のマウント使用時にも大変重宝しています。音声がクリアに録れる穴あきタイプと大容量のBattery BacPac装着時のための厚みのあるタイプの組み合わせで、合計4枚の裏蓋が付いてきます。これだけ付ければ値段も上がりますね。

 クランプ部と取り付けアームで、カメラの方向が決まってしまう構造です。メーカーの説明によれば、クランプはライフル銃や釣り竿、アーチェリーなどの直径10〜23mmの棒状のものに装着可能とあります。ライフル銃やアーチェリーは持っていませんので、釣り竿で試してみました。

釣り竿にしっかりと固定できるGoProスポーツマンマウント

これで竿の先や釣り人の方にカメラを向けて、釣りの最中の映像が狙えます。実際に大物を釣り上げるシーンを、二台のカメラを使って獲物と釣り人の表情と一緒に撮影したら面白そうです。

家で釣り竿マウントをテスト中、ワンコが釣れそう!

 クランプ部が大変強力ですので、棒状でない場所にも固定可能です。ギター先端の板状の部分を挟んでみたら、しっかりと固定できました。傷がつかないように薄いゴムシートをクランプ部に貼って使用しています。

板状になっているギター先端にも固定可能

カメラの向き次第で、演奏者の手元や表情も狙える取付場所です。体を動かしても楽器や演奏者の一点を追いますので、ノリノリの演奏中でも安定した映像になります。ライブなどのワンカット収録に使えそうです。

ギターは弾けませんがこんなシーンが撮れたらカッコいい(?)

この他にもパイプ状のものにがっちり固定できるクランプの特性を活かせば、スキーのストックに取り付けて滑走中のシーンなども撮れそうです。


オートバイや自転車へのマウント目的で購入


 元々オートバイや自転車のパイプ部(ハンドルやミラーステーなど)に固定して、走行中の映像撮影に利用する目的で購入したものです。ハンドルなどへの取り付けは、もっと値段の安い専用のベースマウントが売られていますので、このマウントが一番活躍したのはオートバイのミラーステーやグラブバーなどのテーパー状になった部分への取り付けでした。

オートバイのミラーステーは単純なパイプ状ではなくテーパー状になっている

クランプ部の締め付け力が強いので、細いテーパー状のミラーステーにもしっかりと固定できます。カメラの水平を出すのが難しいのですが、延長アームを噛ませてやればなんとか調整ができました。ただし、ミラーが取り付けられているカウル自体が振動しているようで、撮れた映像はブレブレ(T . T)

 単独でのツーリングがほとんどのぼっちライダーのため、走行中の自分が映った映像はなかなか撮れません。バイク後方のグラブバーからカメラを前方に向ければ、バイクやライダーの一部と景色がいっぺんに撮影可能です。ぼっちライダー一推しの撮影方法になりました。

グラブバーに取り付けたカメラから前方を撮影

手で握りやすいように特殊な形状になっているグラブバーですので、よくあるパイプ用のベースマウントでは安定して固定できません。滑らないように薄いゴムを貼り付けたGoProスポーツマンマウントなら力ずくで固定可能でした。

特殊な形状のグラブバーにもしっかり取り付け可能

撮れた映像は狙った通り、ライダーとバイク、それに景色の三つが同時に写っています。ぼっちライダーでも自分が写った思い出映像が残せました。

グラブバーから前方を映したバイクツーリングシーン

 グラブバーから後方を狙えば、グループツーリングの際に仲間から喜ばれる映像が撮れると思います(ぼっちな私にはあまり関係ありませんが....)。撮影中にもしも、もしも白バイに追いかけられたら、相当迫力のある映像が撮れますねσ(^_^;) わざとやってはいけません。公務執行妨害で逮捕されてしまいます。

グラブバーから後方を狙えばグループツーリングでは喜ばれそう

 自転車ではシートポストに取り付けて後方を狙うのも簡単ですが、ドロップハンドルの末端に取り付けてカメラを後方に向けた撮影で活躍しました。

ハンドルバーの好きな位置に強力に固定可能

サイクリストのペダリングと自転車、後方に流れる景色の全てが一つのカメラで撮影可能です。臨場感のあるサイクリング映像が撮れる設置場所です。

景色とペダリングシーンが一度に撮影可能


水平を保ったままカメラを左右に向けるのが困難


 板状やテーパー状のものにも強力に取り付け可能なスポーツマンマウントですが、取り付けアームやカメラ固定部の向きが限定されるため、カメラの水平を保ったまま左右に向きを変えることが困難な構造です。撮影目的に合わせて、カメラの向きをもう少し外側や内側に向けたい時が度々ありますが、今までは諦めていました。自由に向きを変えられる延長アームなども売られていますが、オートバイや自転車の振動を拾ってしまい、映像がブレて使い物になりません。

もう少し紅葉の景色を広く撮影するためにカメラを左に向けたいが....

この課題が解決できず、高価なGoProスポーツマンマウントですが、出番があまり多くありませんでした。3Dプリンターで自作したマウントでも十分に実用になることを経験し、GoProスポーツマンマウントに自在ボールジョイント部を追加できるパーツを作ってみました。

Autodesk Fusion360で設計中のボールジョイント部を持つ取付アーム

DMM.makeの3Dプリントサービスでナイロン素材を使って造形してもらいました。出来上がったパーツにM5のナット3個をはめ込み、ノブに35mm長のM5ボルトを通せば、標準の取り付けアーム部を丸ごと置き換え可能になります。

標準の取り付けアーム部(右)を白い自作アームにそっくり置き換える

これで、クランプ部をしっかりと固定した後でもカメラの水平を保ったまま向きを左右に変えることができるようになりました。GoProの取り付け部をボール状に変換するパーツは二通り試作してみました(下の写真)。左はネジを使わずに取り付け部を球状にすることができます。マウントベースからカメラの重心までの距離が右に比べて短くなりますので、振動に対してより強くなりますが、ハウジングの取り付け部の形状が製品ごとに微妙に異なるため、ぴったりのものを用意するのが難しくなります。右は一般的なGoPro固定部と同じため、規格に合ったものなら格安のコピーカメラでも問題なく取り付け可能です。

GoProにボールを取り付ける部分は二種類試作

3Dプリントサービスとホームセンターで購入したネジの代金、合わせて2千円ちょっとの追加費用でGoProスポーツマンマウントの活用範囲が一気に広がりました。もともと高価なマウントですので、使われずに仕舞い込まれているのは勿体無いことです。この追加投資で、スポーツマンマウントの出番が今後増えれば十分元が取れると思います。

クランプを固定後にカメラの向きや傾きを自由に変えられるボールジョイント機能を追加


ボールジョイント構造の採用で自由度が格段に向上


 GoProはサイクリングやオートバイツーリング時のアクションカメラとしての使い方以外に、バイクや自転車に取り付ける自作ガジェット(小物)のテストにも活躍しています。自転車への固定には大変優れているGARMIN Edge用マウントに、アウトドアー用のGARMIN eTrexシリーズを装着できるようにするアダプターを自作しました。Edgeに比べて重量のあるeTrexがちゃんと固定できているかどうかを確認するために、走行しながら動画でハンドル上のeTrexを撮影します。

自作マウントアダプターのテストのために走行しながら撮影

強力なクランプ部でハンドルバーにしっかり固定してから、自由に向きを変えられるボールジョイント機構でGoProを被写体にしっかりと向けることができました。被写体のブレをチェックするための撮影ですから、カメラ自体がブレてしまっては意味をなしません。最初はGoPro JAWSフレックスクランプを使ってみましたが、自転車の振動でカメラがグラグラして使い物になりません。この改良型スポーツマンマウントは振動に対して格段に強いようです。

強力なクランプ部でハンドルにしっかり固定してからボールジョイント部で自由に向きを変えられる



DMM.makeクリエイターズマーケットから入手できます


 自分で使ってみて「これは使える」と判断した3Dプリント作品をクリエイターズマーケットに出品しています。せっかく高いお金を払って購入したGoProスポーツマンマウントなのに、出番が少ないという不満をお持ちの方はぜひご検討ください。活用範囲が大幅に広がりました。下記リンクにて利用方法や入手方法をご紹介しております。

活用範囲を格段に広げるGoProスポーツマンマウント交換アームを出品

(2017年10月1日追記)



現在のGoProマウント理想形を動画にしてみました


 自転車やオートバイで動画撮影するために試行錯誤してたどり着いたマウント方法を動画にまとめてみました。振動に強く着脱が容易で、狙った画角にするためにカメラの向きを柔軟に変えられるマウントを目指しました。同じ悩みを持つアクションカメラユーザーへの一つのヒントになれば幸いです。


(2017年12月6日追記)



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