活用範囲を格段に広げるGoProスポーツマンマウント交換アームを出品

 高価なGoPro純正マウントの中でも、一段と値が張るGoProスポーツマンマウント。取り付け対象としてメーカーが挙げているのが、ライフル銃やアーチェリー、釣り竿などのためか、それほど普及しているわけではないようです。実はこれらの特別なスポーツ用具ばかりでなく、強力なクランプ部を活かしてオートバイや自転車などへの取り付けにも活躍してくれます。問題はカメラを据付けるアーム部の構造により、カメラを好きな向きに変えられないことです。せっかく高いお金を出して購入したGoProスポーツマンマウントですので、この問題を解決して活用範囲を一挙に広げることができるように、ボールジョイント構造を持つ交換アームを自作してみました。


特定方向にしか調整できないGoPro固定部をボール式に


 色々な自在ジョイントはすでに売られていますが、どれも振動に対して弱く、オートバイや自転車での走行時に満足できるものが見つかりません。ベースマウントとカメラとの距離をできるだけ短くして、余計な振動の影響を受けないようにし、なおかつ標準のマウントと変わらない操作性を実現したいのですが、市販品が見つからないため自分で設計しました。

ボールジョイント部を持つ交換用アームとして設計(Autodesk Fusion360を使用)

ボール部は他の自作マウントでも使用している実績のある設計をそのまま流用しています。その下にGoProスポーツマンマウントと同サイズのアームをつけました。強度を出すために厚みを増やしましたので、固定用のM5ボルトの長さが標準のものでは少し足らず、長さ35mmのボルトをノブ(つまみ)に通して使用するようにしてあります。このボール部のサイズを直径1インチにしましたので、有名なRAMマウントのボールも固定することが可能です。


元々のアーム部をそっくり置き換え


 非常にしっかりと対象物を挟んで固定できるクランプ部を利用します。標準で二つのアーム部が付属してきますが、これらを使わずに、今回設計したボールジョイントアームで置き換えます。

標準のアーム(右の黒いパーツ)は使わずに、白いボールジョイントアームで置き換え

強い力が加わっても、不用意に回転してしまわないようにアームとクランプ部の接触面にギザギザが入っているのも標準と同じです。


M5ナットとボルトを別途用意してはめ込み


 3Dプリントされたボールジョイントアームは次の三つのパーツから構成されています。
  1.  取り付けアーム(ボール受け部)
  2.  カメラ取り付け用ボール部
  3.  アーム固定用ボルトノブ(つまみ)
ボールをボール受け部に押し込むと、パチンと音がしてはまります。少しきつめですが、使用しているうちに滑らかになってきます。ここの締め付けは余っているGoProの固定ネジを流用します。

 使用に際しては、M5ナットが三個、M5ボルト(35mm長)が一本必要になりますので、ホームセンターなどでお求めください。数十円で揃うと思います。

市販のM5ナットとボルトを装着して使用

M5ナットはソケットにはめ込んで使用するようになっています。脱落しないように少しきつめに設計されています。3Dプリントサービスの誤差を考慮して、ゆるくならないようにしているため、きつくて手ではまらない場合があります。その時にはラジオペンチで押し込んでください。

ナットがキツイ場合はラジオペンチの先で挟んで押し込む

ナットには面取りしてある表と、していない裏があります。ソケットには脱落防止の小さな突起が設けてありますので、ナットの面取りしてある方をソケットの外側に向けてはめるのがコツです。粘りのあるナイロン素材ですので、無理やりナットを押し込んでも割れることは今までありませんでした。


クランプで固定後にカメラの向きが自由に変えられる


 今までは、GoProスポーツマンマウントのクランプ部を固定する際には、カメラの向きと水平をかなり苦労して調整していました。その後にカメラの向きだけを変えるのはほとんど困難。このボールジョイント部を持つアームに交換すれば、360度どの方向にもカメラの向きが変えられます。水平の調整も15度程度まではどの方向にも可能になります。

GoProスポーツマンマウントの弱点を改善する交換用アーム

カメラの向きや水平の調整のために、余計なアームを追加する必要もありませんから、振動に対しても強くなります。オートバイや自転車でのGoPro撮影に大いに貢献してくれるものと期待しています。


DMM.makeのクリエイターズマーケットに出品中です


 この交換アームはDMM.make内のクリエイターズマーケットで入手可能です。下記リンクより該当の注文ページに飛べます。


利用できる素材は靭性のあるナイロンのみになりますが、色は自由に選ぶことができます。3Dプリントの特性上、造形ごとに多少の誤差が出ます。各パーツの組み合わせがきつめであったり、緩めであったりしますが、設計上も考慮してありますので、使用できないほどの誤差は出ません。この交換用アームで高価なGoProスポーツマンマウントの活躍の場が広がれば、十分元の取れる費用に収まったと自負しています。



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