2016年6月8日水曜日

マウントの鬼 GoPro JAWSフレックスクランプの格安コピー品はどこまで使えるか


 いろいろなところにGoProや小型デジカメを取り付ける方法として、クランプ型のマウントは重宝しそうです。各種の変換アダプターを持っていれば、いろいろなカメラのスタンドとしても利用できます。自転車やバイク、さらには自宅での撮影のためGoProのJAWSフレックスクランプの購入を検討しましたが、実売価格で5千円前後もします。お試しで購入するにはちょっと勇気のいる価格です。Amazonで1,500円ほどで売っているコピー品を購入し、色々な場所で使用してみました。


実際に手にしてみて初めて使用イメージが湧いてきた


 届いた商品を開封し、実際に触れてみることで色々わかってきました。まずクランプ部分ですが、めちゃくちゃバネが強力です。握力トレーニング用のハンドグリップで言えば赤〜黒レベルという感じでしょうか。これで直径5センチまでの様々なものに固定できます。また自由に曲がるグースネック部分がGoPro純正品よりかなり長くなっていました。関節部分が三つほど多い構造です。

JAWSフレックスクランプの格安品

パイプなどを挟んで固定した後に、内蔵されているベルトを締め付ければさらに強く固定可能です。比較的細いパイプへの固定時には役立ちそうです。

内側にベルトが付いていて、締め付けが可能

GoProなどのカメラを取り付けるパーツは付属してきません。GoProに付属してくるバックルが必要になります。工作精度が悪いせいかバックルの取り付け部がかなりきつめなため、ものすごくしっかりとバックルが固定できます(外すのが大変ですが....)。

GoProに付属してくるバックルが必要

購入時のままで実際に使用してみました。屋外でクランプをフェンスに固定し、GoProやデジカメを取り付けて動画の撮影テストです。200グラム程度の重さしかないカメラでも少し強い風が吹くとグースネックが揺れて画像がブレてしまいます。どうもグースネック部分が長すぎるようです。

屋外で使ってみたら風でカメラが揺れます


グースネックが長すぎるので詰めてみた


 風でカメラが揺れてしまうのはグースネック部分が長すぎるからだと考え、短くしてみました。グースネックは複数のパーツがはめ込まれているだけです。関節部分に力を入れるとバラすことができました。注意しなければいけないのは、無理に曲げて外そうとすると割れてしまうことです。実際に一箇所割ってしまいました。一番上(GoProバックルを取り付ける方)の関節部分はここだけの形状になっていますので、ここが割れると代わりがありません。できるだけこの部分を避けて外すようにします。

グースネックを一旦バラして短くしました

間に7つあった関節部分をGoProの純正品と同じ4つに減らしてみました。デジカメを取り付けてみると以前よりは安定します。曲げられる角度は小さくなりますが、90度までは調整可能です。

グースネック部分を短くして安定性を上げてみました


丈夫なクランプ部分とボールジョイントバックルを組み合わせて使って見る


 室内や動かない部分への取り付けはなんとか実用的に使えそうです。クランプ部分がしっかりしているので、グースネックを使わなければバイクや自転車などの振動のある場所でも使えるのではないかと思い立って試してみました。その場合に問題となるのがカメラの向きや傾きを調整する方法です。クランプで固定できる向きは限られますので、バックル部分での対応が必要です。ここでGoPro HERO4 Sessionに付属してきたボールジョイントバックルが登場。個別に購入すると4千円以上もする高級パーツです。今まであまり登場する機会がありませんでしたが、ここで活躍してもらうことにしました。

クランプとボールジョイントバックルを直結

クランプを手に持ち、バイクを眺めてみるとリアショックのリザーバータンクがちょうど良い大きさに見えます。挟んでみるとぴったりと収まりました。本体横で固定できる GoPro HERO4 Sessionであればカメラを前向き、後ろ向きどちらにもセットすることができました。

リザーバータンクにぴったり固定

撮影できた動画は以前ホースバンドでGoPro HERO3+を固定して撮影したものと比べても遜色ありません。ほとんど振動の影響を受けずに撮影できました。さらにボールジョイントバックルのおかげで上下左右にカメラの向きを微調整できます。路面のショックでカメラの向きが変わってしまうようなこともありませんでした。この固定方法は使えます。何しろクランプで挟み込むだけですから、脱着がワンタッチでできます。この位置からの画角はこんな感じになりました。

リザーバータンクに後ろ向きに取り付けたSessionの画像

ボールジョイントバックルの特長を活かして、もう少し外側(歩道側)にカメラを向ければバイクの写り込みを減らすことも可能です。カメラを前向きにした画像はこちら。もう少し外側に向けたり、シフトしている足元を狙ったりすることもできます。

リザーバータンクに前向きに取り付けたSessionの画像

 さらにリザーバータンクより高い位置にあるグラブバーにも固定してみました。テーパー状になっているグラブバーへの固定は円筒形のリザーバータンクに比べると多少不安定になりますが、内蔵ベルトを締め付けることにより少し安定しました。ホームセンターで売っている少し厚めのゴムベルトを間に巻けばもっと安定するかもしれません。

内臓ベルトの活用により複雑な形のグラブバーにも固定可能

ここでの動画撮影も安定して行えました。Sessionが軽量なためか、GoPro HERO3+をスポーツマンマウントで固定して撮影したものに比べても安定していますし、何よりもスポーツマンマウントでできなかったカメラの向きの微調整が可能になっています。高価なボールジョイントバックルがこれでやっと有効活用できそうです。実際にこの位置で撮れた画像はこちらです。

グラブバーに後ろ向きに取り付けたSessionの画像

リザーバータンクに比べて高い位置からの撮影になり、より実際の視界に近い画像になります。もう少しカメラを歩道側に向けてやれば、バイクの写り込みを完全になくすことも可能です。クランプで挟むだけですので、撮影シーンにより簡単に使い分けができそうです。


グースネック付きのままでバイクに固定してみた


 ダメ元でグースネックを間に付けた状態でバイクでの撮影をしてみました。グースネックが間に入ると、カメラをよりバイクから離すことができます。今までと異なるアングルでの撮影が期待できますが、さてどうなるでしょう。

グースネック付きのクランプをリザーバータンクに固定

結果は心配していたとおり、路面の振動でグースネックが勝手に変形。使い物になりませんでした。バイクを停めて撮影するときに使うことにします。

 格安コピー品ですがそれなりに利用価値はあるようです。純正品だったらもっといいのかどうか知りたいところです。こんなときこそリアル店舗で商品を手にとって試せればいいのですが..... オプション品まで実際に触れられる店舗はなかなか見当たりません。



ゴム板を間に挟んでタンデムステップにも取り付け


 低い位置からの映像が撮れるタンデムステップにも取り付けてみました。最近のタンデムステップは金属製で細く、形状はギザギザ、デコボコです。そのままでは噛み合わせが悪いため、5mm厚のゴム板をホームセンターで購入し、クランプとの間に挟み込みました。

100円ほどで買える5mm厚のゴム板を入手

ゴム板のおかげでテーパー状になっているタンデムステップやグラブバーにも比較的安定して固定できます。振動で向きが変わらないようにするための滑り防止にも役立っているようです。

ゴム板を噛ませて固定すればタンデムステップも十分実用的

タンデムステップの上側もしくは下側にカメラをセットできます。下側に取り付ければかなり路面に近くなり、よりスピード感のある映像が撮れました。

(2016年6月20日追記)



格安コピー品のクランプ軸部分が破損


 バイクでの撮影のためにクランプを固定しようと力を入れて開いたところ、バキッと音がしてクランプの軸を押さえているプラスチック部分が割れてしまいました。両手を使わないと広げられないほど強力なバネを使用していますので、その力に耐えきれなかったようです。

力を入れて開いたら軸の周りのプラスチックが破断した格安コピー品

格安のコピー品とはいえ、半年程度で壊れてしまっては使い物になりません。バネの力とクランプ本体の強度バランスなどは考慮せずに作っているようです。これがないと困るので今度はGoPro純正品を買うしかなさそうです。安物買いの銭失いの典型となってしまいました(/ _ ; )

(2017年2月24日追記)



やっぱり純正品は良くできてる


 事前にマウントをネジなどで設置しておいた場所以外にカメラを取り付ける際に、最近最も良く利用しているのがJAWSクランプです。コピー品が破損してしまったため、仕方なくGoPro純正のJAWSフレックスプランプを購入しました。最初に買ったコピー品の三倍以上の出費です( ;∀;)

GoPro純正のJAWSフレックスクランプ

半年間コピー品を使い続けた後に純正品を使用してみると..... やっぱり純正はいい!というのが率直な感想です。バックル取り付け部の精度が高く、コピー品のように無茶苦茶にきついということもなく、手に触れる部分がゴムでコーティングしてあり滑りにくくなっています。一番重要な挟み込む部分にも厚手のゴム部品が取り付けられていて、円形ではない場所にも安心して固定できます。格安コピー品はこの部分がプラスチックのままでしたので、別途ゴム板などを用意して挟み込んでやる必要がありました。

純正品は随所にゴムの滑り止めが付いている

やっぱり純正品は高価なだけありますね。初めから純正にしておけばよかったと後悔していますが、そうすると純正の良さに気付かなかったかもしれません。耐久性についてはもう少し使ってみないとなんとも言えませんが、ネット上でも純正品が壊れたという不満は見当たらないので、大丈夫かなと思っています。

(2017年7月1日追記)



ホームセンターの格安クランプで同等品を作成


 GoPro純正のJAWSフレックスクランプとボールジョイントバックルの組み合わせが、最近最も出番の多いマウントシステムになっています。マルチカム撮影の際に、もう一組使いたい時が出てきましたが、セットで揃えれば一万円近い出費になってしまいます。また、サイズが大きく二組も持ち運ぶのは大変です。ホームセンターで見つけた工作用の格安クランプでJAWSクランプと同じ機能になるものを自作してみました。

300円程で買える工作用クランプ(下)でマウントシステムを自作してみた

(2017年9月20日追記)



0 件のコメント:

コメントを投稿