2015年11月10日火曜日

快適バイク生活 超私的な冬用バイクウェア理想論


 いよいよ本格的な冬装備が必要になってきました。長年のブランクからリターンして大型バイクに乗り始めたのが冬からだったこともあり、冬用のライディングウェアには人一倍気を遣っています。真冬に高速道路でロングツーリングに出かけることも多く、数時間の高速クルージングでも耐えられるバイクウェアや重ね着術、電熱ウェアなど苦労を積み重ねています。


バイク専用ウェアはさすが高機能


 最初に選んだ冬用ウェアはとにかく機能重視。かなりの大枚をはたいて真冬のロングライドに耐えられそうなものをチョイスしました。それでも一月、二月の厳冬期には耐えられない日もあります。インナーにダウンを使ってみたり、電熱ベストを試してみたりと快適さの追求が続きました。
 バイクを操って走っているだけで満足していた時期を過ぎると、目的地で散策したり、郷土料理を食べに行ったり、ちょっとした登山をしたりとバイクを降りて楽しむ時間も増えてきます。そんな時、ライディング中の快適性だけを追求したウェアでは色々不都合なことが多いことに気づきました。

ライディング中は最強ですが、バイクを降りると苦労する冬用ウェア

専用バイクウェアで自分が課題と感じる点を挙げてみると、
  • 先ずそのデザイン、誰がどう見てもバイク用ですというウェアはバイクを降りてからはまるで浮いています。グループであれば仲間同士で歩けるので、気にならないかもしれませんがソロでは目立ちます。
  • 走行中は快適でも降りてからの温度調節はほぼ不可能。脱いで置いておくしかないことが多いのですが、置く場所もなくバイクに掛けておくだけです。冬場はバイクウェアを脱いだ後に羽織る別のアウターも必要で、荷物が多くなります。
  • 無理にバイクウェアで歩き回ろうとすると、プロテクターが邪魔になり思いっきり動けません。
等々、ライディング中のメリットがそのまま降車してからのデメリットにつながってしまっているようです。バイクウェア、特に冬用のウェアに求められる機能を並べてみると、次のようなものかと思います。
  • 保温性が高く、風の侵入が少ない
  • 高速走行時の風でばたつかない
  • プロテクターが装着されている
  • 摩擦や熱に強く、皮膚を保護できる
  • 視認性が高く、夜間でも他車から見えやすい
  • ライディングポジションが取りやすく、手足の動きを妨げない


冬山用ウェアでも工夫次第で使えそう


 冬用のウェアを検討するときに最初の保温性と風対策だけは外せない機能です。手持ちのウェアでこの条件に合うものを探してみました。見つけたのはスノーシューをやるために購入したMAMMUTのゴアテックス素材ハードシェルです。厳冬期登山でも使用されているものですので、風対策はしっかりしています。すべての縫い目やファスナーには防水対策が施されていて、これだけで雨具の代わりになります。

MAMMUTの冬山用ハードシェル、風と雨・雪対策は万全

登山用の場合、保温は中に着るアンダーウェアとミッドレイヤーで調整します。風対策はバッチリですので中に着る物でかなり広い温度範囲に対応できます。冬場のウェアの基本は、体温により温められたアウター内の空気を逃がさないことです。そのため風が侵入しやすい襟首、袖口、腰回りがぴったりと締め付けられる構造になっていることが必須になります。ミッドレイヤーは潰れずに空気の層を保てるものが理想的です。ここにフリースやダウン製品が適しているのはそのためです。アンダーウェアは汗を吸収し、外部に放出しやすいものを選びます。厳冬期はさらに保温性も高いアンダーにします。冬場でも汗はかきますので、アウターは内部に湿気が留まらないゴアテックスのような防水透湿素材が最も適しています。

冬用バイクウェアの基本とポイント

このMAMMUTのハードシェルで東北地方へツーリングに行きました。鍾乳洞の見学時には登山ウェアですので何の違和感もなく周りに溶け込めました。問題になったのは高速走行時に風でウェアがバタつくこととです。さらに、風があたる腕や胸の部分が圧迫されて中の空気層が薄くなり、その部分だけ冷えてしまいました。本格的にロングライドのバイクウェアとして使うには対策が必要なようです。
 物は試しにこの登山用ハードシェルの下に夏用のメッシュジャケットを着てみました。メッシュジャケット自体に保温性はほとんどありませんが、プロテクターによりシェルの内部にしっかりとした空間が確保されます。この空間の空気が体温で暖められて結構快適です。風のバタつきも抑えられ、腕や胸の空気層がつぶれることもありません。

夏用のメッシュジャケットを登山用アウターの下に着てみた

この重ね着、結構いいかもしれません。メッシュジャケットだけを脱げばそのままハイキングに適した服装になります。温度調整は別のインナーを着用することになりますが、TPOに合わせた冬用バイクウェアのひとつになりそうです。


カジュアルバイクウェアを普段着として使えば一石二鳥


 日常生活用の冬用ジャケット購入にあたり、普段着としても使えそうなバイクウェアを探してみました。ちょっとラフな外出着として使いたいと思い、パッと見てもバイクウェアと気づかないPOWERAGEの製品を選択。インナーを外せば秋から使えそうです。ゴアテックスを使っているので雨の日でも大丈夫。いい値段でしたが、日常も使えて元が取れそうです。

POWERAGEのバイクジャケット、実にカジュアルなデザインです

先日、西沢渓谷に紅葉ツーリングに行った時に使用してみました。ゴアテックス製のアウターとして全体的な防風・保温効果は問題ありませんでしたが、襟首の造りがシンプルな構造のため隙間風が入ってきてウェア内部の温度が保てません。この部分は対策が必要でした。


気合を入れたいなら革ジャン・皮ズボン


 真冬は使っていませんが、皮の上下も重宝しています。風を通さない素材ですので少しのインナーでも結構暖かく走れます。春や秋に気合を入れて走りに行くときにはこれを着ています。問題は重いことと、まったく合わない場所があることです。昨年西沢渓谷に紅葉を見に行った時はこの皮の上下でした。見事な紅葉を楽しもうと登山道を歩いてみたのですが、登山者ばかりの中で浮きまくりです。途中で暑くなり、革ジャンを手に持って歩きましたが、重くて肩が痛くなりました。

皮の上下、摩擦に強く風を通さないが重い


下はオーバーパンツが使いやすい


 上着の話ばかりになりましたが、下はオーバーパンツ式がいろいろ応用がききます。皮ズボンなどはいくら暑くても途中で脱ぐわけにはいきませんが、これなら簡単に普通のズボン姿に戻れます。下に履くズボンやタイツとの組み合わせを変えて幅広い温度に対応します。
 最初に購入した冬用ジャケットとセットのパンツはプロテクターやインナーが厚く、中にジーンズは履けませんでした。目的地で脱ぐことができず、汗だくになりながら観光地をうろついたものです。本格的な冬に備え、POWERAGEのカジュアルジャケットと組み合わせるためにRSタイチのカーゴパンツを購入しました。

RSタイチのカーゴパンツ

サイズもゆったりしていて厚手のジーンズの上に履けます。ブーツを中に入れて裾がしっかりと締まり、風が入ってこない構造になっています。ユニクロのウォームパンツと組み合わせてどの程度の寒さに耐えられるか、実験してみたいと思います。



POWERAGEのインナーがとっても暖かい


 本格的な冬到来で、POWERAGEのウィンタージャケットにインナーをつけて走るようになりました。今まではジャケットの下にユニクロのフリースなどを着ていましたので、POWERAGEのウィンタージャケットは風除けとしてしか機能していませんでしたが、付属のインナーと一緒に使ったらその暖かさにびっくりです。表面がナイロンのキルティングで中綿がポリエステル、裏地がポリエステルのボア生地になっています。厚みがあり、3層構造になっているためか着用した途端に背中がポカポカとしてきます。

POWERAGEウィンタージャケットのインナー、あったかいんだから〜

最初に買ったいかにもライダー的なウィンタージャケットのインナーは他の保温ウェアと組み合わせないと寒くて仕方なかったのですが、これは普段着の上に羽織るだけでかなりの寒さまで耐えられます。首元が風に弱い構造ですのでネックウォーマーをつければ完璧。値は張りましたがカジュアルウェアとしても使え、バイクウェアとしても優秀でいい買い物をしました。

(2016年1月10日追記)



POWERAGEウィンタージャケットの保温性能を計測


 熱電対型温度ロガーなるデバイスが手に入りましたので、走行中のジャケット内外の温度差から保温性能を計測してみました。インナーを取り付けたPOWERAGEウィンタージャケットは外気温が8.5度での走行中でも、内部は28度以上を保ってくれました。

(2016年12月16日追記)



出費1,650円で自作した電熱ウェア


 いくら保温性能が高い冬用ジャケットでも、長時間風を受けながら走っているとどうしても体が冷えてきます。体が発する熱量だけではジャケット内部の温度を維持することができなくなるのでしょう。そんな時には電気の力を借りて熱量を補う電熱ウェアが役に立ちますが、市販品はかなり高価。使えそうな格安部品を集めて、締めて1,650円也の電熱ベストを自作してみました。

(2017年1月27日追記)


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